大会概要
<大会メインテーマ及びシンポジウムのコンセプト等について>
大会メインテーマは、「家族のトランジションと子ども」です。離婚・再婚とその後の生活の中で、家族は、家族としての形態や構造だけではなく、関係性や価値観、習慣、心情その他のさまざまな変化にさらされます。その変化には、誰の視点で、どの角度からとらえるかによって、移行、変遷、過渡期など、さまざまな意味があります。そこで、今回の大会では、離婚・再婚などによる家族の移り変わりを、さまざまな視点からとらえるべく、あえてトランジション(transition)というカタカナ表記にしました。
青木聡氏は、心理療法を実践・研究する臨床心理学者として「離婚と子ども」という研究テーマ、とくに離婚後の親子交流の問題や支援について、精力的に取り組まれています。豊富な心理臨床のご経験を踏まえて、家族のトランジションと子どもについてお話しいただく予定です。
シンポジウムでは、離婚・再婚などの家族のトランジションの渦中、あるいはその後の子どもたちに焦点を当てます。子どもたちがトランジションの中で何を体験し、その体験からどのような影響を受けるのか、子どもたちが変化の荒波を乗り越えるために何が必要であるのか、トランジションの後の子どもたちに必要なものは何かなど、具体的な問題について、シンポジストから話題提供をいただいた後に、基調講演者の青木聡氏も交えた意見交換により、理解を深めていきたいと考えています。
福丸由佳氏は、離婚を経験する親子への「FAIT」プログラムやペアレンティングプログラムのCAREによる親子支援の実践家でもあります。また丹羽有紀氏は、家裁調査官の経験を有する弁護士で、子ども手続代理人としての経験もお持ちです。異なる立場や場面で、それぞれに家族のトランジションを支えている専門家の方々からの講演をふまえて、全体討論を行う予定です。
大会開催にあたってのごあいさつ
日本離婚・再婚家族と子ども研究学会第7回大会を、2024年10月26日(土)~27日(日)、
近畿大学東大阪キャンパスにて開催いたします。
今大会のテーマは、「家族のトランジションと子ども」です。離婚・再婚などによって家族の形態が移り変わる中で、子どもをめぐる環境も変化します。このような子どもの身の回りに起こる「移り変わり」をどのように捉え、子どもに必要な支援は何か等を議論できればと考えております。
青木聡氏(大正大学)に「子による交流拒否の理解と支援」の題で基調講演を、また子どもに関わる問題に長く携われてこられた、福丸由佳氏(白梅学園大学)・丹羽有紀氏(弁護士法人興和法律事務所)にシンポジストをお願いいたしました。1日目の午前中と2日目には研究報告および会員企画ラウンドテーブルが予定されています。本学会のメンバーは、実に多様で、そこに
本学会の特色があると思います。参加者の学際的な議論が、子どもをめぐる問題の解決に向けた一歩となるよう、実りある学会にしたいと存じます。
今回は、関東地方を離れ、初めて関西で本学会が開催されます。会場となります近畿大学東大阪キャンパスがある東大阪市は、「ものづくりのまち」と知られ、花園ラグビー場があることから「ラグビーのまち」としても知られています。人情味あふれる大阪の下町といった風情がいたるところでみられます。また、近畿大学といえば「近大マグロ」をはじめとする養殖魚などを思い浮かべる方もいるかと思いますが、あいにく学会開催期間中はそれらを提供する施設が閉まっております。皆様の期待を裏切ってしまい、申し訳ありません。
今大会は、対面とオンラインを併用するハイブリッド型の開催を予定しております。遠方からご参加の方には、会場までのアクセスに不安を覚える方もいるかと思います。「会場までのアクセス」のページに、関西の主要駅から会場までのアクセス方法をまとめております。大会実行委員会のメンバーで作り上げました。是非ご参考にしていただければ幸いです。
皆様のご参加を心からお待ちしております。
日本離婚・再婚と子ども研究学会
第7回大会実行委員長 松久 和彦(近畿大学)
大会実行委員会
実行委員長 松久 和彦(近畿大学)
実行副委員長 直原 康光(大阪大学)
実行委員 宍戸 育世(近畿大学)
築城 由佳(NPO法人ハッピーシェアリング)
町田 隆司(元家庭裁判所調査官)